毒書日記6

数字のどこを見てるんだ!」和田秀樹監修・宝島社・¥1300


数字の詭弁弁証法と分析に関しての読み物。我々が普段如何に
政府やメディアに躍らされているかが良く分かる本だ。


「油絵を解剖する〜修復から見た日本洋画史」
           歌田眞介・NHKブックス・¥1020


「鮭」で有名な画家高橋由一他、明治期の油絵を修復する過程
で日本洋画史を解き明かしていくドキュメント。日本で洋画が
なかなか普及しなかった理由を、絵の具をはじめとする画材の
面から考える。


「道路の権力〜道路公団民営化の攻防1000日」
             猪瀬直樹文藝春秋社・¥1600


行政改革の一環として、郵政民営化とともに目玉のひとつとされ
その成否が賛否相半ばする道路公団民営化。巧く行ったのか?
それとも看板が増えて赤字が先送りされただけなのか?
今後、存続会社であるネクスコ各社の収支推移を見なければ
簡単に断言はできないが、巨大な組織に立ち向かった人達は
必死であったのは確かなようだ。
それにしても、政治家や公団幹部の悪人顔の並んでることと
言ったら・・・


広辞苑の嘘」谷沢永一渡部昇一・光文社・¥1200


国語辞典の代名詞になっている広辞苑、実は誤用偏向の
オンパレードだと言う。その根拠は岩波の左傾と編者新村出
実際には手掛けていないという事実。
権威的なものはまず疑ってかかれという事か?


ソニーが危ない!−SONY10年の天国と地獄−」
             荻正道・彩図社文庫・¥760


ソニー、思えばアメリカでは自国の会社だと誤解されるほど
イデアとバイタリティーに満ちあふれていたアイデア集団
理工系の学生にとっては憧れのフロンティアであった。
井深大盛田昭夫の両輪によって創業された同社は圧倒的な
技術力で音響・映像機器のリーディングカンパニーになった
その一方「ソニータイマー」と呼ばれる、保証期間が過ぎると
急に故障率が上がる、危うさも合わせ持っていたのだ。
(幸か不幸か、オレはそれに直接向かい合うことは無かった
のだが、販売店としては辛いやね。)
そして、永く独自技術として「トリニトロンブラウン管」に
頼り切っていたため液晶開発・生産に致命的な遅れを生じ
結果サムソンとの合弁開発・生産という屈辱を味わう事になる。
そして損失を埋める為、多角的経営の縮小・別会社化。
家庭用ゲーム機の開発遅延。次期メディアの主力争いの敗北
追い打ちをかけるようにOEM供給していたリチウムバッテリ
ーの発火事故・リコール騒動。
もはやソニーには売るモノが何もない、「マネした電器」より
下位に位置することになってしまった。
この先に何が待っているのだろう?