県民性?

NHKの農業に関する討論番組を見ていて、スタジオに呼ばれるパネリストの顔ぶれに恣意的な物を感じた。

秋田県の農家代表は、見たところ県南の山間部で零細な米農家をやっている70代中盤・後取りは農業に見切りを付けて役場か農協に勤めているかあるいは仕事を求めて実家を出て行っている、と言う感じの人なのだが、秋田の農家がみんなそういう立場な訳はないし、他の応募者が居なかった筈も無い。

その人が「ウチは農地も良くないし・・・」と発言して「あんたはなぜ努力して転作しないんだ?ただ絶望してるだけじゃどうにもならんぞ!」と北海道の農家からツッコミを入れられていたのが印象的。
そういう時に「そんな時間的・経済的余裕はない。第一いい作物を作れば自然に消費者の目に止まるなどというのは流通に有利な都市近郊や若い者が大勢いる積極的な営農団体だけだ!」と反論出来ないのが秋田県人ってことなのかなあ。

県民性については祖父江孝男博士のその物ズバリ「県民性〜文化人類学的考察」(中公新書)という名著があるが、一時期流行った「県民性モノ」の相性占いのたぐいはすべてこの本を下敷きにしていたフシがある。

何はともあれ国営放送さえも世論をミスリードしようと企むのは如何なものか・・・