ここしばらくの毒書日記

最近は少し上向いて来たとはいえ、それは都市部の大きめの企業だけの話で、田舎の中小・零細・家内制手工業や経営者と専従者だけのウチみてえなとこは未だに鍋底景気の底のカスを舐めてるような有り様、安倍君にも是非がむばってもらいたいモンだ。(まあ3世議員のお坊っちゃまには想像も出来ねえ、無理な注文かもしれんが・・・)
世の中が不景気になったり、内政に鬱憤が溜まるとプチ・ナショナリズムが勃興するらしい。そういう情勢は90年代の半ば頃から目につき始めていた、戦後55年も過ぎて
四方八方に土下座しまくり、その一方で経済をV字回復させて来たこの国が、その唯一の明るい方向に暗雲が立ちこめたら行き場を失うのは当たり前なのだが。
そもそも日本の戦後は合衆国の掌の上で転がされて来てるのは明白で東京裁判憲法・学校給食・東西冷戦・朝鮮戦争ベトナム戦争安保闘争プラザ合意貿易摩擦バブル崩壊、実に勝手だ(お互い様だけどな)
そんな中で分かりやすいお題目を唱えて、ケレン味たっぷりの首相が出て来ればオレみてえな大衆が喝采するのは当然とも言える。

この間に「諸君!」「正論」などの老舗に加えて「SAPIO」「WILL」のプチウヨ雑誌が相次いで創刊されている。ネットでは2ちゃんと中韓反日サイトが爆弾の投げ合いやってるし、そんな事より国の中にこそ「獅子身中の虫」が居るんじゃねえの?と
皮肉のひとつも投げたくなるのよ。
と、言いつつ国粋的な本を読むオレってやっぱネットウヨとか反動主義?

「新しい歴史教科書『つくる会』の主張」西尾幹二編・徳間書店・¥1000
今や古典に近い「歴史教科書論争」に一石を投じた本。実際に扶桑社の教科書読んでみてもほとんど違和感がないのは、オレの中学時代の社会科教師が日教組員でなかったせいか、それとも「ガキにはちゃんとほんとの事教えねば」と倫理観を持って仕事してたかどちらかだろうな。ありがとう佐々木先生。
それにしても、他国の義務教育にいちゃもん付けるのは内政干渉の最たるモンじゃねえの?それなら中韓は自分とこの子供にウソの反日教育するのも止めてもらわねば。
つくる会」自体が内輪もめしてたんじゃシャレにもなんねえけど・・・

「中国がひた隠す毛沢東の真実」北海閑人著・草思社・¥1800
中国(特に江沢民他の上海閥は)南京事件で日本軍が30万人を虐殺したと主張しているが、この本は毛沢東が中国全土を敗走している間・蒋介石の国民党政府が台湾へ逃げた後、いわゆる「文化大革命」で自国民(特に知識人や教養人)を紅衛兵と呼ばれる子供たちを使って4000万人殺したという記録だ。
著者はペンネームを使ってるので結構バレたらヤバい立場の人だったはず。でも、「白髪三千丈」や「4000年」の国の事なので、逆自慢なのかも知れない。
類似書に「マオ」があるがそっちは未読。

「『南京事件』の探求〜その実像を求めて」北村稔著・文春文庫・¥680
オレが高校生ぐらいのときは「南京大虐殺」というのは歴史上の事実だった。それが今や揺らいで来ている、あるいはオレの中でという事なのかも知れんが。
いわゆる「南京事件」を最初に報道したのはイギリス紙の中国特派員だったオーストラリア人「ティンパーリ」という人物だというのは知られているところだが、この人物国民党に雇われてプロパガンダ活動をしていたらしい。それを戦後国内に広めたのが本多勝一朝日新聞記者(当時)。この人「NHK受信料拒否の論理」「日本語の作文技法」等の著作がある。なるほど〜。自分の主張や社の意向は得意の国語力で屁理屈付けても通すわけか。
ちなみに「いわゆる南京事件」に関しては、まぼろし派・中間派・虐殺派、すべてから夥しい数の書籍が出てるので、それに関してどのように考えるかは個人の自由。そこが日本の今のいいところですから。