毒書日記8

ようやくここ一年分の毒書日記に先が見えて来た。


「壊れた尾翼〜日航ジャンボ来墜落の真実」
             加藤寛一郎講談社+α文庫・¥933


あれからもう21年が経った。夕方のニュース速報で「日航ジャン
ボ機、東京上空で消息を断つ」というテロップが流れてから・・・
当時は何が何だか分からないうちに、「御巣鷹の尾根」「ダッチロ
ール」「後部圧力隔壁」「しりもち事故」等聞き慣れない言葉が
次々に出ては消えて行ったように思う。
この本は航空力学的な側面から同事故を解析、分かりやすく解説
した一冊だ。


「宅配便130年戦争」鷲巣力・新潮新書・¥680
「電波利権」池田信夫新潮新書・¥680


郵政・テレビ局、世の中には既得権益と言うモンがあり、それが
莫大な利益を安定的に産み出すため、その牙城を手段を選ばずに
護ろうする人達がいる。そういうところに正面切って対決するのは
清々しく映る。だから「持たざる大衆」は拍手喝采して止まないの
であろう。ある意味「こんな世の中だから」とか「こんな仕事も
ない田舎だから」といじけてしまっているクチにはカタルシス
はなってる。カタチを変えたポピュリズムだよなあ。
「ガス抜き、ガス抜き」


朝鮮総連金賛汀新潮新書・¥680
創価学会島田裕巳新潮新書・¥680


どうしても色眼鏡で見ざるを得ない団体ってのがある、これは
部外者にしてみれば仕方がない事だ。だって現にいろいろ問題が
あるのだから。正直言って、団体って苦手なんだよね(^^;
昔、筒井康隆の小説で「旗色不鮮明」ってのがあったが、これは
普通に暮らしてて、左右・各種宗教団体・はてはCIA・KGB
モサドなどありとあらゆる組織から「どっちに着くんだ?」と
迫られ終いには市街戦になる、という筒井お得意のスラプスティ
ックだったのだが、これを一概に妄想と切って捨てる事も出来な
い「世間」なのではないかな?
あっ、それから「霊長類南へ」という長編もおすすめです。


松下政経塾とは何か」出井康博・新潮新書・¥700


丁稚を経て二股ソケットの発明で財をなした立志伝中の人物
松下幸之助。商売こそが全てで、典型的な日本型終身雇用と
人事管理で松下帝国を作り上げた。だがその後は「マネシタ」と
揶揄されるほど二番煎じ・改良で業績を伸ばして来た。
その晩年の夢が「松下政経塾」だった。政治家志望の若い人材を
募り、給料を支払いながら勉強させる。その志や良し。
がしかしその卒業生たるや、現横浜市長中田宏以外は、ニセ
メールの永田、前民主党首の前原、現政権で山のように仕事を
押しつけられている高市。こりゃあかん。