毒書日記10(一段落)

今日は暖かかったので薪の準備を少しだけした。
長かった毒書日記もようやく今日で一段落。


「帝都復興せり!建築の東京を歩く1986〜1997」
               松葉一清・朝日文庫・¥820


関東大震災〜戦前に建てられた都内の建物を見て歩き、その後の歴史をつぶさに調べながら散歩するという建築好きにはこたえられない本。現存しているモノもあれば、とっくに解体され別の建物になっている例も多い。都会の方が古い建築物が多いというのも考えてみればおかしな話だが。ちなみにオレは古民家ファンでもある。


自動車絶望工場〜ある季節工の日記」
                鎌田慧講談社文庫・¥552


ルポライターである筆者が、愛知県にある某T社の工場に季節労働者として就職し一冬を組立工として日記に綴った労作。その過酷さ・悲惨さは大変なモノだ。ただ如何せん72年の話、古すぎる。今はもう少し人間的になってるんじゃないかと思いたいものだ。


「吉田自転車」吉田戦車講談社文庫・¥495


ユルくて・不条理で・絵の下手くそな漫画家・吉田戦車の自転車エッセイ。愛車を「ナイスバイク号」と命名してしまうあたりは非常にユルくていい感じである。オレも自転車でグルメツアーに行ける都内に住んでみたい。


「インストール」綿矢りさ河出文庫・¥380


たまにはこういう新しくて・話題の・柔らかい本も読んでみる。
能動的な登校拒否を始めたばかりの女子高生とゴミ置き場で出会った小学生のコンビが風俗チャットや再生パソコンで一儲けを企む小説。どうもおじさんはもう少し脂っ気が抜けてないので、「こうした方がもっと儲かるよ」とアドバイスしたくなってしまうのだった。

あー、やっと本の山が片付いた。次は溜めないでその都度にしとこ。