アメリカと言う「夢」

2年に一度の中間選挙が終った、結果はご存じの通り。米国民はブッシュ(共和党キリスト教原理主義・武力による押売り民主主義)政権を否定したのだ。
たとえわずか1票差でも、アメリカの選挙制度は厳格に多数決の原理を重んじる。


自国民が否定するような国家指導者でも、国外(特に日本)にとっては必ずしもそうではない。(まあ結局はアメリカの都合だったのだが)日本に原爆を投下し、東京を空襲して多くの命を奪った当事国の「核の傘」の下で60年護られて来たわけだ。
今、アフガン戦争〜湾岸戦争911テロ〜イラク戦争北朝鮮核武装と言う流れの中、日本にとって一番の急流に来た時点でアメリカ合衆国議会の多数派逆転はかなり厳しいモノがある。


振り返ってみれば、北朝鮮が核開発を宣言しNPTから脱退・IAEAの査察を拒否した時、アメリカはクリントン政権で、カーター前大統領を特使として派遣し北朝をにKEDOという贈り物をし、目一杯甘やかした結果がこれだ。
アメリカ人から見れば、イラクもイランも北朝も遠い異国の話で、関心があるのは国内問題なのだろう。過去の例から見て民主党が多数派になった時には、外交も貿易も保護主義的傾向が強くなる。(まあ、バックに労働組合やリベラルと言う名の赤が付いてるから当然と言えば当然なのだが)

アメリカにはアメリカなりの自由があり、世界中からこの国に集まってくる移民たちの「夢」がその正体だったはずなのだが、いつの間にかその自由や夢が変質してしまった。押しつけがましい共和党でも、ひたすら柔軟な外交を目指しつつ国内問題にばかりかまける民主党でもなく、両者のいいところを集めたような政権こそが「望まれるべき自由の旗手としての国家」なはずだ。
この先2年、ブッシュ大統領は大変だろう(現に選挙から1週間もたたないうちに大統領のレイムダック化が報道されている)が、こっちの国もかなり大変だぞ。