ゴーン神話の崩壊

日産の伸びが止まった。


かつてデザイン・ユーザー不在で、お得意様の漫然とした買い換え需要だけにたよったの放漫経営を続け落ちるところまで落ちた日産に、提携先のルノーからカルロス・ゴーンが乗り込み「日産リバイバルプラン」をぶち上げた。以来、やって来た事と言えばメーカーとして顧客の需要に応える上で当然の事ばかりで、大規模なリストラと社長自身がメディアに頻繁に露出する以外決して目新しい施策はなかったと思われる。それでも、どん底まで落ちていた業績の転換点と新社長就任の打ち上げ花火、そしてデザイン・設計部門への若干のテコ入れによって、日産は奇跡のV字回復を成し遂げたように見えた。が、それも実は時の流れだったのではないかと思われる。


日産の業績の伸びが止まった理由それはただ一点、ルノーの世界戦略の中に組み込まれた結果、あまりにもフランス風一辺倒になり過ぎた日産のデザインが、只でも少なかった国内のフランス車党と「なんでもいいから日産ファン」の間に一巡し、飽きられた事に尽きる。
次に日産の数字が伸びるのは、フランス党の買い替え期が来る数年先まで待たねばなるまい。なにしろ、フランス車党はケチで有名なのだから。